2020(令和2)年2月19日(水)に東京国際フォーラムを会場として,本学会の第28回の研修会が開催されました。今回の研修会は,「健康な食事・食環境」コンソーシアムとの共催で開催し,さらに日本栄養改善学会と日本給食サービス協会の後援をいただきました。今回のテーマは,「健康経営の推進における従業員食堂の役割と期待−健康な食事・食環境の整備を効果的に推進するために必要なことは−」でありました。

講演1では,経済産業省ヘルスケア産業課長の西野健先生より『生涯現役社会の実現に向けた健康経営の推進』としてご講演をいただきました。現在の日本の人口構成,高齢者の健康状態の現状の説明から,健康経営の企業価値,健康経営銘柄および健康経営優良法人の選定・認定の話など重要な最新の情報を提供いただきました。現在のわが国における「健康経営」の状況を理解する大変貴重な講演となりました。

講演2では、東京大学未来ビジョン研究センター特任教授の古井祐司先生より『勤労者の健康支援における従業員食堂への期待』としてご講演をいただきました。ある中小企業の昼食弁当について,健康を考えた弁当に変えた実践事例やある大企業が取り組んだ体重測定の実践事例等の紹介を踏まえ、従業員への健康投資の重要性をお話になられました。古井先生への質疑も多く,活発な議論ができました。

講演3では、本学会スマートミール審査WGリーダーの静岡県立大学食品栄養科学部教授市川陽子先生より『事業所給食での「スマートミール」の認証、普及の動向と課題』について情報の提供がありました。現在第3回目の認証を終え,その審査の状況が報告されました。日本人の食事摂取基準(2020年版)への対応として,たんぱく質と食塩相当量の認証基準見直しなどについて詳細に説明をいただきました。併せて第4回目の認証のスケジュールと,スマートミール認証制度の評価の研究が始まることが案内されました。

本研修会は,約120名もの方にご参加いただき(事前申し込み数は140名),盛会のうちに終了いたしました。ご参加いただきました皆様,また研修会の運営にご協力いただきました皆様に深く感謝いたします。本当にありがとうございました。

例年2月の研修会は,フードケータリングショーに併せて開催されております。今回の研修会会場が展示会会場と離れていることから,会場間のバスを運行する対応をし,会員の皆様の利便性も考慮いたしました。今後も研修会の内容のみならず,会員の皆様の期待に応えられるような研修会の企画を考えて参ります。次回29回研修会は,2020年9月27日(日)に龍谷大学響都ホール(京都駅前)にて開催する予定であります。詳細が決まりましたら,学会メールニュース,ホームページ等でご案内をさせていただきます。今後も多くのご参加をよろしくお願い申し上げます。

研修委員会 朝見 祐也(龍谷大学農学部食品栄養学科)

第28回研修会アンケート結果(PDF)は、こちらをクリックしてください。