2022(令和4)年3月26日(日)に本学会の第32回の研修会がリアルタイム方式でWEB開催されました。今回のテーマは,「日本食品標準成分表 2020年版(八訂)の給食施設での活用〜食事摂取基準との関係と行政への対応〜」でありました。研修会の様子を録画した動画が,後日オンデマンド配信されました。

今回の研修会では,2つの講演があり,講演①では,「日本食品標準成分表 2020年版(八訂)と日本人の食事摂取基準(2020年版)との関係」として,女子栄養大学栄養学部教授の上西一弘先生よりご講演いただき,講演②では,「日本食品標準成分表 2020 年版(八訂)を活用した栄養・食事管理〜特定給食施設指導の対応〜」として,女子栄養大学栄養学部准教授の久保彰子先生よりご講演をいただきました。

講演①では,食事摂取基準(2020年版)が七訂成分表を直接的に活用されてつくられているわけではないことが強調され,成分表および食事摂取基準のそれぞれのばらつきを考慮して,栄養素とエネルギーをそれぞれの目的をもって活用することが重要であることを示されました。
講演②では,保健所栄養指導員の特定給食施設指導の法的根拠を確認後,各都道府県の栄養管理状況報告書の八成分表への対応状況などが共有されました。さらに特定給食施設における提供されている食事の八訂成分表によるエネルギーおよび栄養素量への影響の問題点を挙げられ,その対応方法について示されました。

2つのご講演のあとには,質疑応答およびディスカッションが座長の女子栄養大学栄養学部教授の石田裕美先生のもと進められました。ディスカッションを通じて,八訂成分表および食事摂取基準の特性を十分に理解した上での『対象者の状況を踏まえた』栄養管理の重要性,そして八訂成分表活用に関する方向を学会が示す必要性などが示されました。

今回の研修会も前回同様に食品成分表がテーマであったことから,高い関心がもたれ,非会員の参加も多く,約300名もの参加登録者がありました。参加登録者からは,「リアルタイム配信日に都合が悪く参加できなかったが,オンデマンド配信の視聴で助かった」,「リアルタイム配信に参加したが,オンデマンド配信を後日視聴することで,さらに理解を深められた」というご感想をいただいております。ただ,一部の参加登録者の方でオンデマンド配信の視聴で問題があり,ご迷惑をおかけしたこともありました。ご迷惑をおかけした皆様,大変申し訳ありませんでした。今後のオンデマンド配信については,トラブルのないよう準備を進めて参りますのでよろしくお願い申し上げます。

ご参加いただきました会員の皆様,また研修会の運営にご協力いただきました皆様に深く感謝いたします。本当にありがとうございました。
次回33回研修会は,2022年9月頃に開催する予定であります。研修内容,開催方法等の詳細が決まりましたら,学会ホームページ等でご案内をさせていただきます。今後も多くのご参加をよろしくお願い申し上げます。

研修委員会委員長 朝見 祐也(龍谷大学農学部食品栄養学科)

第32回研修会アンケート結果(PDF)はこちらをご覧ください。