2021(令和3)年9月6日(月)から12日(日)の7日間にて,本学会の第31回の研修会がWEB開催(オンデマンド配信)として開催されました。
今回のテーマは,「日本食品標準成分表2020年度版(八訂)への理解~改訂ポイントと活用~」でありました。開催期間中の最終日には,リアルタイム方式にて,質疑応答・ディスカッションを行いました。

 今回の研修会では,日本食品標準成分表2020年版(八訂)の策定に携わった東京栄養食糧専門学校校長の渡邊智子先生にご講演をお願しました。
 講演の内容は,2テーマあり,講演①は,「日本食品標準成分表2020年度(八訂)の改訂ポイント」として,新しい成分表はどこが改訂されたのかを中心にご講演いただきました。特に大きく改訂されたポイントとして,「エネルギー値の算出方法の変更」を挙げ,大変丁寧な解説をいただきました。
また今回の改訂で「調理後食品」の収載が充実したこともあり,八訂成分表を適切に活用することによって,確からしい栄養量に近似できることも強調されました。
 講演②では,「日本食品標準成分表2020年度(八訂)の給食施設での活用」として,確からしい栄養計算を進めていくためのポイントを中心にご講演をいただきました。特に調理した食品は,調理した成分値を使って栄養計算を進める重要性をご説明いただきました。中でも,実際に調理に使う食材と重量を計算する「調理のための項目」,調理の重量変化率を考慮し計算する「栄養計算のための項目」,発注量を計算する「購入のための項目」の3つの項目を計算できる大変便利で画期的なエクセルシートまでご紹介をいただき,給食施設現場や管理栄養士・栄養士養成校の教育現場で活用するための工夫までご紹介をいただきました。

 開催期間中最終日の質疑応答・ディスカッションについては,約70名の参加者があり,日本女子大学家政学部食物学科教授の松月弘恵先生が座長として対応されました。講演動画を視聴した参加者からは,スマートミールへの対応や,行政への対応など多くの質疑応答があり,また質疑応答をもととした活発なディスカッションが行われました。

 今回の研修会はテーマの重要性から,非会員への案内を行ったせいか,参加は351人もの登録者があり,開催期間中は研修会ページに761という大変多数のアクセスがありました。会員からは,オンデマンド配信であったため,開催期間中に繰り返し視聴することができ,研修会の内容の理解を深めることができたなどのご感想をいただいております。ご参加いただきました会員の皆様,また研修会の運営にご協力いただきました皆様に深く感謝いたします。本当にありがとうございました。

 次回32回研修会は,2022年2月頃に開催する予定であります。研修内容,開催方法等の詳細が決まりましたら,学会メールニュース,学会ホームページ等でご案内をさせていただきます。今後も多くのご参加をよろしくお願い申し上げます。

研修委員会リーダー 朝見 祐也(龍谷大学農学部食品栄養学科)

第31回研修会アンケート結果(PDF)は、こちらをクリックしてください。